略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
けれど、当初の予定から1年半超。
先方主催の食事会に数度招待されたものの、婚約相手が現れることは一度もなく、未だ結納の日取りすら決まっていないのが現状。
そして今日、数ヶ月ぶりにセッティングされた婚約者との顔合わせの食事会は、足を運ぶことなく流れてしまった。
先方は、美郷と結婚する気はあるのだろうか。
相手方の家はそのつもりなのだろうが、当の陽翔本人にその気はあるのだろうかと、美郷は美郷の無いようであった自尊心に小さなほころびができたような気がしていた。
今日もまた会えなくて、私ショックだったのかな……?
自分の気持ちがよくわからない。
陽翔のことが好きなのかと問われたら、答えは【ノー】だ。
けれど、お見合い結婚だった両親を見ていて、結婚後は自分も相手のことを大切に思えるようになるだろうし、幸せな人生が送れるのだと信じている。
まして、大手メガバンクとして財界に名を連ねる一家の娘だ。
名のある家に嫁ぐことは、自分ひとりだけが嫁として収まればいいという単純な話ではない。