略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「美郷ー! 帰ったのー?」


 廊下の奥から聴こえてきた母の声に、姉妹はびくりと肩を揺らした。


「は、はーい! ただいまー!」


 玄関から大きな声で返事を返すと、美郷は愛結の肩をがしっと掴み顔を寄せた。


「お父さんにもお母さんにも、一切何も言わないで」

「別に何もないならそんなに必死で隠す必要ないじゃない。やましい気持ちあるから隠したいんでしょー」

「違うんだって、変な心配かけたくないの!」


 自分は恋愛結婚するんだと前々から言っているだけに、愛結はどうしてもそういう方向に持っていきたい様子だ。

 でも、美郷は匠海と今以上の関係になるつもりはない。

 いつかきちんと陽翔と面識を持って、乙成家の長女としての責務をまっとうするのだ。

 美郷は愛結に煽られまいと気を強く持ち、この前愛結が行きたがっていた新しいカフェのハイブリッドスイーツを引き合いに、しっかりと口止めをしてからリビングへと向かった。


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