略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

 考えていたことを誤魔化した美郷は、律儀に答えてくれる愛結に「そうなんだ」と気のない返事を返す。

 美郷がもう一度だけその男性を盗み見ると、ふと何かを感じた。

 女性だらけの中にひとり男性が居るだけで、妙にその人だけが際立っている。

 そのせいだろうか。

 過ったのは、既視感だ。


 あの人、どこかで会ったこと――――?


 靄のかかる記憶を掴もうとしても、そこに何かありそうなのに手ごたえはない。

 心当たりがないのであれば、その人が一瞬だけ匠海に似ていると思ったからだと結論づけた。
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