略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

 このところ、匠海の存在が美郷の日常に入り込んできていて、それが影響しているのだろう。

 今まで仕事以外で男性と関わることをしてこなかった美郷にとって、匠海の行動は目まぐるしくて、ちょっぴり刺激的だ。

 邪険に思ったことはなく、なんなら少し楽しい瞬間だとさえ思ってしまっている自分がいることには気づいていた。

 けれど、この先ちゃんと結婚の話が進んでいけば、そんな他愛のないやり取りさえもできなくなる。


 そうなったら、匠海さんはどうするのかな……

 しつこく構ってくるのは、私がまだ婚約中なだけだからで。

 結婚したあとまで、そういうことを続けるような節度のない人じゃないと思う。


 そのときが来ればきっと彼も身を引いてくれるだろう。

 そう思うのに、ほんの少しだけ淋しさが過った。

 それに感化されないよう、渋みのある紅茶と一緒にぐっと飲み干した。



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