略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
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 受験生の妹にとっては、たまの息抜きだ。

 夕飯までの時間、今日くらいは彼女の行きたいところに付き合ってあげようと思っていた。

 受験勉強中の束の間の休息が必要なことは、美郷もよく知っている。

 知識を詰め込み続けた頭のガス抜きはきちんとしておいたほうがいいと、足取りの軽い愛結を見ながら数年前のことを懐かしく思い出した。

 11月に入り、ハロウィンが終わると街はすみやかにクリスマスモードになる。

 赤と白、そして緑のコントラストが街のあちこちを彩っていた。

 ふたりがやってきたのは、イルミネーションにも力を入れるU&K百貨店。

 オータムフェアが終わり、すぐにクリスマスバーゲンを始めたファッションブランドが見たいと、愛結は目を輝かせていた。

 婚約が決まってからも、何度か訪れたことがある。

 ハイブランドショップはもちろんのこと、高校生の愛結でもお小遣いを貯めれば買えそうな店もある。

 母娘向けの店舗を展開させたのは、婚約者の陽翔がトップの席に就いてからだったといつか聞いた覚えがあった。
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