略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
*
「これこれ、これ欲しかったんだっ。ね、どう? お姉ちゃん」
とあるファッションブランドの店頭で、ニューアライバルと書かれた札を下げるグレーチェックのチェスターコートを自分に当てて振り向く愛結に、美郷はおぼろげな視線を向けた。
「あ、うん、それね……うん」
「お姉ちゃんっ、ちゃんと見てる!?」
まるで彼女の買い物に付き合わされる彼氏のような素っ気ない返事。
美郷としては、興味どころか別のことが頭を巡っていて、愛結の服を見立ててあげるような余裕がなかった。
似合うにしろ似合わないにしろ、前々から欲しかったものなのだろうから、どっちにしてもそれを購入するという以外に愛結が選ぶ道はないだろうとわかる。
もう、と頬を膨らしながらも、くるりと翻り鏡に映る自分を満足げに眺める愛結。
ここぞとばかりにやって来た店員に誘導され、店の奥の方へと行ってしまった。
ぼうっとしたまま、愛結の後ろ姿を見送る。
その間もずっと、美郷の頭の中にはカップルの姿が離れずにいた。
「これこれ、これ欲しかったんだっ。ね、どう? お姉ちゃん」
とあるファッションブランドの店頭で、ニューアライバルと書かれた札を下げるグレーチェックのチェスターコートを自分に当てて振り向く愛結に、美郷はおぼろげな視線を向けた。
「あ、うん、それね……うん」
「お姉ちゃんっ、ちゃんと見てる!?」
まるで彼女の買い物に付き合わされる彼氏のような素っ気ない返事。
美郷としては、興味どころか別のことが頭を巡っていて、愛結の服を見立ててあげるような余裕がなかった。
似合うにしろ似合わないにしろ、前々から欲しかったものなのだろうから、どっちにしてもそれを購入するという以外に愛結が選ぶ道はないだろうとわかる。
もう、と頬を膨らしながらも、くるりと翻り鏡に映る自分を満足げに眺める愛結。
ここぞとばかりにやって来た店員に誘導され、店の奥の方へと行ってしまった。
ぼうっとしたまま、愛結の後ろ姿を見送る。
その間もずっと、美郷の頭の中にはカップルの姿が離れずにいた。