略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
*


 すぐにでもたしかめるべきだ。

 だけど、あれが陽翔だったとして、そうであるならどうするのか。

 一緒にいた女性とは、どういう関係なのかと問いただすのか。

 ……誰に、どうやって――――。


 美郷は帰ってからも、夕食の時間になってもそのことで堂々巡りをしていた。

 もし仮に、真実を突き止めたそのあと、美郷と家族、先方の家、そして婚約の話がどうなってしまうのか、美郷ひとりの考えでは収拾がつかない。

 けれど、まだ可能性の話だ。

 一緒にいたのが親しい女性だとは限らない。

 そもそもあれが陽翔だったという確証もない。

 少なくとも、釣書を見れば答えのひとつは出るはずだ。


「あの、お母さん……?」

「うん?」


 夕食を終えた食器を片付ける母を手伝いながら、動悸を堪えて言った。


「釣書……って、まだ持ってる?」

「あら、珍しい。『会えばどんな人かわかる』なんて言ってから、あなた見てなかったものね。あるわよ、あとで部屋に持っていくわ」

「うん、ありがとう」

「そうよね、ずっと会えていないもの。恋しくなるのもしょうがないわよね」

「そっ、そんなんじゃないんだけど……」
< 77 / 241 >

この作品をシェア

pagetop