略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
ふと頭を巡るのは、結婚が先延ばしになっている理由だ。
陽翔はもしかしたら、美郷にしっかりと家庭に入る意志を持って欲しいのかもしれない。
仕事から疲れて帰ったときに出迎えて欲しいのかもしれない。
今の仕事だと定時は18時で、それから帰り食事の支度をするとなると大分時間が押してしまう。
そうなることを彼は懸念しているのかもしれない。
けれど、美郷がいくら考えを巡らせたとしても、到底彼の真意に辿り着けるはずがない。
不毛な悩みに気を揉むより、今は自分がやると決めた仕事に全力を注がなくてはと、机上の書類の山に手をつけた。
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