略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

「お、怒ってないんですか? 昨夜のこと……」


 そうだとばかり思っていたから、午前中にも何度か届いていたメッセージを見られずにいた。

 あわよくば、そのまま美郷のことを最低な女だと見限ってくれても構わないとさえ思ったけれど、胸の痛みに吐き出す溜め息は何度零したかわからなかった。


「君がそうだと思ってるんだったら、わざわざ俺からそのことについて追求する必要はないさ。悪いと思ってるからそう言うんだろ?」


 怒ることなく淡々と言われるから、余計に自分が悪いことをしているのだと思い知らされる。

 実際、最低なことをしたのだけれど。


「すみませんでした……」

「いいよ、昨夜のことに関してはなにも怒ってないから。
 せっかくだし先に食べようか。話はそれからがいいよな」

「は、はい……」


 真っ白の取り皿を手に取った匠海は、大皿に盛られたスモークサーモンのマリネをつぎ分けてくれる。

 それとは別に並ぶ三段のティースタンドには、ムースやチーズケーキ、ベジスティックやなすとひき肉のココットなどが置かれていて、女子力高めのフォトジェニックランチだ。
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