【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
素敵だなという憧れとか、そういう綺麗なものだけじゃない。
ズキズキ痛かったり、ショックを受けたらいつまでもグルグル考えたり、そのせいで元気がなくなったりすることだって時にある。
だけど、やっぱり頭の中にはいつも存在して、どうしたって気にかけている。
今、私は市來先生に会いたい。
砕け散るってわかってても、ちゃんと今のこの気持ちを伝えたい。
「本当に好きな人、か……じゃあ、中条さんの恋のキューピッドをしちゃったようなもんだね。参ったな……」
「そんな、恐れ多いです!」
「じゃあ、行って。今後は、また仕事でよろしくね」
椎名先生はニコリと微笑み、後腐れなく玄関前から立ち去っていく。
その遠ざかっていく背中に向かって「よろしくお願いします」とまた頭を深く下げた。
「よし……」
椎名先生の姿を見えなくなるまで見送り、ふうと気持ちを入れ替えるように息を吐く。
くるりと病院の玄関口に身体を向け、意を決して一歩を踏み出した。