【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛



「……大丈夫だ、出てこい」


当直室に忍び込んだその後――。

市來先生が警戒しながら先に外へと出、廊下に誰の姿もないのを確認して私の退出を導く。

合図を受けて、ドアを押さえている市來先生の横からささっと明るい廊下へと飛び出した。

ずっと暗い部屋の中にいたから、蛍光灯の白さが目にしみる。


「誰にも見つからなかったな」


となりを歩く市來先生はクッと肩を揺らす。

周囲の様子を見に行きがてら、市來先生は先程私を置いて一人更衣室へと向かった。

戻ってくるとスーツの姿になっていて、このまま早いところ出ようということになった。

足早に歩き、当直室から離れていくとホッと安堵する。

運良く誰にも出くわさなかったから良かったけど、もし、二人であんな場所から出てくるのを目撃でもされたら一巻の終わりだった。


「見つかったら、先生はいいとしても私が終わります。もう出禁ですよ」

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