【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛


「あの、これ、すみません、いただいていいんですか?」


椅子へと座りなおし、いただいたカクテルを前にとなりに掛けた姿にチラリと目を向ける。

いつの間に頼んでいたのか、バーテンダーさんが彼の前にブランデーかウイスキーの入ったグラスを置いて去っていった。


「もちろん。嫌いじゃなければ」


初めて見るカクテルだ。

ぱっと見、黒ビールのようにも見える。

「いただきます」とグラスに触れたものの、グラスの飲み口に橋をかけたように置かれたピンに刺さるレッドチェリーはどうしたらいいのか、飲み方がわからず手が止まった。

すると、すぐにそれを察し、「これは――」と彼の手が目前に伸びてくる。

ピンを摘み、グラスの内側に引っ掛けるようにしてレッドチェリーを先端に移動し、そっとグラスの中へと沈ませる。

飲み方を教えてもらっているにもかかわらず、大きく筋張った男らしい手に途端に鼓動が高鳴ってきてしまう。


「――で、ゆっくり引き上げると……ほら、表面が揺れて、模様が浮き出たみたいに見える」

「あっ、本当だ……ハートみたいになった!」


下の黒い部分と上に載る泡の部分が混ざり、カクテルの表面に模様ができたように見える。

思わず弾んだ声を上げると、自分のグラスを手にした彼がフッと笑った。

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