【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
「じゃあ、とりあえず乾杯」
「あ、はい、いただきます」
カチンとグラスの重なる涼しげな音が響いた。
初めて飲む〝エンジェルズ・キッス〟は、チョコ系でミルキーな甘さの、デザートのようなカクテルだった。
甘くて美味しくてついつい進んでしまう。
残りわずかになると「同じのにする?」と先回りして次の一杯を気に掛けてくれた。
「って……あんまり飲ませないほうがいいよな」
「大丈夫です。まだまだいけます!」
実際はかなり酔いが回っている。
視界が少し回って見えているし、今までこんなに飲んだ経験はない、と言えるくらいだ。
「でも、相当酔ってるんじゃないか?」
「いいんです! 今日は、そのつもりで、飲むって決めてたんで……」
ぼんやりする頭の中で、椎名先生の顔がふわっと浮かぶ。
悲しい記憶を打ち消すように、グラスの残りを一気に飲み干した。
「そんなに好きな男だったんだ?」