【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
「最悪だ、気持ち悪すぎ……」
逃げるように部屋を出、どうやって来たかも全く覚えていないホテルのエレベーターにとりあえず乗り込んだ。
その間もいつリバースしてもおかしくないくらいムカムカしていて、気分は最高に悪い。
慌てて出て来たから時間も見なかったけど、ベッドサイドから掴み取ってポケットに突っ込んできた腕時計を取り出して見ると、六時を少し回ったところだった。
急いで身に付けてきた下着が冷たくなっていて、昨日の自分のしてしまったことに深いため息が漏れた。
何やっちゃってるんだ、私は……。
初対面の人と一夜を共にしてしまった。
こんなこと、今までもちろんしたことない。
相当酔っていたとはいえ、まさかこんなことになるなんて思いもしなかった。
だけど、あの時の私は酩酊状態といえ、自らの意思で彼に付いていった。
別に無理矢理部屋に連れ込まれて、私の同意なしで彼が襲ってきたというわけではない。
『忘れさせてやる』
その言葉に、縋ってしまったんだ……。