【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
嫌な予感がして、恐る恐る顔を上げる。
階段の先、建物一階の開け放たれたガラス窓からこっちを見ていたのは、こともあろうか白衣の市來先生。
窓の縁に両腕を掛けて、じっとこっちを見下ろしている。
「なんでもありません。ちょっとつまずいただけですから」
気まずいところを目撃され、気持ちが焦る。
早いところこの場を立ち去ろうと、負傷した足に踏ん張りを効かせてみたものの、思うように力が入らない。
そうこうしているうち、「ったく……」と今度はすぐ真上で声が聞こえた。
さっき向こうの窓から顔を覗かせていた市來先生は、いつの間にか先の入り口から出てきていて、私の散らばした荷物をまとめ始める。
その一式を「はい、持つ」と私の腕の中に預け背後に回ると、いきなり膝裏と背に手を添えた。
「えっ、あのっ!」
あっという間に身体が宙に浮いていて、慌てた声が飛び出す。
荷物を抱えた私を軽々と持ち上げ、市來先生は先の自動ドアを入っていく。