【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
「お手間を取らせてしまい、すみませんでした」
「別に謝ることじゃない」
「いえ、助かりましたから。ありがとうございました」
「じゃあ、その感謝の気持ちでなんかしてもらおうか」
……へ?
さらりと出てきた言葉に一瞬静止する。
「そうだな……」と思案しながら使った物を手に再び奥へと引っ込んでいく市來先生。
もしかしてこれって、借りを作っちゃったってこと⁉︎
あっという間に運ばれて、手早く処置までしてもらって、そこまで考えてなかった。
何かとんでもないことでも要求されたらどうしよう。
状況が状況だけに断りずらい。
でも、とんでもないことを言われたら、できませんと言うまでのこと!
奥のカーテンが揺れ、市來先生が姿を現す。
「今度来る時、弁当作ってきて。雪音の手作り弁当」
身構えていたところに、思いもよらない要求をされて、拍子抜けしてしまう。
「え……そんなことでいいんですか?」
聞き返した私に、市來先生は黙って口角を引き上げた。