【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
忘れて食べていなかったこと、待っていたという言葉に内心ホッとする。
「でも、本当に作ってきてくれたんだ?」
手にした保冷バッグを手に市來先生は、となりから私の顔をまじまじと見つめてくる。
その視線に急に恥ずかしさが押し寄せ、ふいっと前を向いた。
「だって、約束しちゃいましたし。それに、この間のお礼というのも含めてですから」
努めて冷静に、そして正当な理由ぽく答える。
だけど、市來先生は私の落ち着かない気持ちを見透かしているように「ふ〜ん」と流した。
「じゃ、早速お手並み拝見といきますか」
「ちょっと、やめてくださいよ! そんなすごいお弁当じゃないですから」
プレッシャーにプレッシャーをかけられて、もうこの場を逃げ出したい。
そう思っているうちに、あっという間にお弁当の蓋を開ける工程までが進み、もうどうにでもなれ!と覚悟を決めた。
「おっ……」
「えっ、なんですか⁈」
「いや、想像以上だ……すごい」
どうやら思い描いていた以上のお弁当だったようで、市來先生は試行錯誤して詰めてきた中身をじっと見つめる。
ひとまずホッとして、気付かれないように小さく息を吐き出した。