【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
お盆休みも間近に迫った八月も中旬――。
今日は各営業先の医院やドクターたちに、お盆休みをいただくことをお知らせして回っている。
昨日、外回りから帰社して、退社間際に慌てて作ったお知らせのプリントを配ってだ。
「あー、もう、先生のせいで冷やし中華残す羽目に……」
芽衣子ちゃんと食堂でお昼を食べていたら、いきなり市來先生が現れて「俺が呼んでるのに呑気にランチか」とか脅されて、あと少しで食べ終わりそうだった冷やし中華を断念した。
たまにこうやって俺様を発揮してくるから、タイミングが悪いとこういう目に遭う。
「きゃあ!」
と、横に並んで歩いていた私の横っ腹を、いきなり市來先生がおもむろに掴んでくる。
反射的に出た声と共にぴょんと距離を置いた。
「な、なっ、何するんですか!」
抗議しながらも、急なちょっかいに胸が高鳴る。
ニヤリと意地悪く口角を上げた市來先生は、何食わぬ顔で「無駄肉チェック」なんて言った。