【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛


「な、なんで知ってるんですか? あの時、私、そんなに色々と人様の個人情報をぺらぺらと……」

「まぁ、それもあるけど、医者の情報網ってやつだな」


オロオロする私とは対照的に、市來先生は大して興味もなさそうに言い放つ。


「そうですか。でも、もうなんでもないですし、あちらも私のことは全くなんともでしょうし」

「そうか? 案外まだ脈ありだったりして」

「へっ⁉︎ ま、まさかぁ……」


あははと苦笑を漏らしながら、心臓は落ち着きなく音を立て始める。

この高鳴りは、椎名先生がまだ脈ありではないかと言われたからなのかと考えてみる。

でも、それとはどこか違うような気がして戸惑う。

チクチクと胸のどこかが痛い感じがする。


「あれ? 何、まんざらでもない感じ?」


いつの間にかすぐ目の前までやってきた市來先生は、意地悪い笑みを唇に載せて私を見下ろした。


「最近よく見かけんだよなー、一緒にいるとこ。そんなに毎回MRに用ってあるもん?」

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