【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛


お昼過ぎに外回りの仕事を終え、営業所へと社用車で戻る。

帰り道にコンビニに寄って買ってきた海藻サラダと紀州梅のおにぎりを一つ食べた。


「ハァ……どうしよ」


まだ周囲のほとんどが空席なのをいいことに、ため息と独り言をボソッと呟く。

腕時計を見ると、もうすぐニ時半になる。

あと三時間半もすれば、椎名先生に約束を取り付けられた時間だ。

二ヶ月前の私なら、椎名先生に食事に誘われたなんて日には、薔薇でも撒き散らしてスキップで営業所に帰ってきたに違いない。

それが、何をため息なんかついてしまっているのだろう。

プライベートでのお付き合いができたら、と、願っていたことが叶ったというのに、このなんとも言えない気持ちはなんなのだろうか。


『案外まだ脈ありだったりして』


最後に話した日に市來先生が言った言葉が脳裏をよぎって、ツキンと胸を刺すような痛みが走った。

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