王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「これを見てみよ!」
ジャジャーンと効果音でも聞こえてきそうな勢いで、意気揚々と父が背中から両手を差し出す。
……ん? なんだ??
まず目に飛び込んだのは、桐箱。その中には、大量の真綿が敷き詰められている。
そしてその中央にドドンと鎮座するのは……? あれは桃、か??
それにしても、中身に対し、明らかに箱のサイズが過剰だ。
「これまでの献上品の中でも類をみぬ、極上の桃じゃ! 旧知の農園主が改良に改良を重ね、苦節十年! やっと、やっとその桃の木が、ひとつだけ実を付けたのだそうだ!」
桐箱を手に、父は自慢げに胸を張る。
やはり真綿に包まれたそれは、桃のようだ。
一体、何が飛び出してくるかと構えていた俺は、内心で拍子抜けした。これには向かいの兄も、ポカンとしていた。