王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 ホロリとひと雫、眦を伝った涙は、フレデリック様の指先で優しく拭われた。その微笑みに募るのは、確かな恋情。膨らみ始めたこの恋は、きっと蕾のままではいられない。

 やがて膨らみきって、花弁が開くその時は……。

「フレデリック様、今しばらくその言葉に甘えさせてください。胸に膨らみ始めた蕾があります。この蕾をもう少しだけ、温めさせてもらいます」

 フレデリック様が、白い歯を見せて破顔した。

「ああ、男に二言はない。それにエミリー、君の不安も戸惑いも、全てを凌駕して俺という男を愛してもらえるよう、今この瞬間から俺は男磨きに大忙しだ」

 晴れやかなその笑みと、慈しみに溢れる言葉。目頭を熱くさせた熱は、眦から溢れるだけでは収まらない。私の全身を熱くする。



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