王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
この時、はしたなくも私はフレデリック様の唇を注視していた。その形のいい唇が、私の唇にそっと重なり合うのではないかと、そんな想像に胸を高鳴らせた。
けれど触れ合ったのは、額と額。
コツンとぶつかった額と額に、もしかすれば私は落胆したのかもしれない。けれど滲むくらい近くにある水面のように澄んだ瞳が、今この瞬間を支配する。フレデリック様以外、全ての感覚を遠く霞ませる。
「君の事が愛しいよ。自分の欲望も欲求も、全てを凌駕して、ただ君が愛おしい。君へ愛を尽くす事、それこそがこの上ない幸福と思える。君への愛に囚われた俺は、もしかすればどこかおかしいのかもしれない。けれど俺は、そんな自分が誇らしいとすら思える」
見開いた目にフレデリック様だけを映しながら、フレデリック様の一言一句を聞く。