王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「いや、エミリー。俺はそっちで――」
「なに言ってるんですか! 遠慮なんていりませんよ? お客様にはいつだってそっちの大きなカップでお出ししてるんですから、さぁさぁどうぞどうぞ」
遠慮深いフレデリック様の前に、なみなみとドクダミ茶が注がれた大きいカップを、微笑んで置く。フレデリック様は少し歪な笑みを返した。
私は両手でカップを持つと、早速ふうふうと湯気を散らして、刺激的なドクダミ茶を啜る。
向かいのフレデリック様も、おっかなびっくりと言った体で、ドクダミ茶に唇を寄せる。私は何食わぬ風を装いながら、ジーっと見つめていた。
するとドクダミ茶を啜った瞬間、フレデリック様の表情が苦悶に歪む。けれどそこは流石と言ったところだろうか、フレデリック様は一瞬で苦悶を蹴散らして、澄まし顔を取り繕う。
……へぇ、やるなぁ。