王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「エミリー、色々聞かせてもらって参考になったわ!」
「ううん。本当言うと私も、私の知識やアイディアがアイリーンの手で形になっていくのを見るのは嬉しいの。活かす術のない私には、それらも眠らせておくしか出来ないから」
「謙遜ね。エミリーが本気を出せば、私なんて目じゃないくらいにうまくやるでしょうに。……ねぇ、ところでエミリー? さっき気付いたんだけど、貴方って、フレデリック殿下と親しいの?」
新規ビジネス談義がひと段落ついたところで、アイリーンの口から飛び出したのは、思わぬ名前だった。
「え!? どうして?」
「あそこにぶら下がってるハンカチ」
おもむろにアイリーンが指差したのは、部屋の隅にぶら下がるハンカチ。
実は昨日、フレデリック様が帰った後に、椅子の上に落ちているのを見つけたのだ。そのままの状態で返す事も考えたが、なんとなく親切心で洗って干していたのだが……。