王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
一体どうしてあのハンカチで身元が割れる??
「端に刺繍されてるあれ、フレデリック殿下の紋だもの」
私の内心の疑問を読み取ったかのように、アイリーンが苦笑しながら端的に答えた。
……ただのカッコイイ刺繍かと思っていたが、まさかそんな大層なものだったとは。
「親しい訳じゃないの。でも、正直言えば知らない仲でもない。昨日ここに来て、忘れていったの」
私の言葉に、アイリーンが目を瞠る。
アイリーンにも、痴漢撃退スプレーの一件で我が家にサントマルク王国軍第三師団の来訪があった事は、軽~く告げていた。
けれど、来訪者の中に第三師団団長のフレデリック様がいただとか、よもやその後に個別の訪問があったなどとは一切伝えていない。
「そう。そっか」
だけどアイリーンは静かに頷いただけで、それ以上の追及をしない。