恋人未満のこじらせ愛
さすがに奢らせてはくれないようだ。
『わかりました。予約お願いします!』
と返信を打ったところで智也さんが戻ってくる。


「お待たせ」と私の隣にビールが置かれた。
返信がすぐに来そうだったので、携帯を見たまま「どうも」とだけ呟く。

「誰?」
携帯を覗きこもうとしてるのに気付いて、慌てて画面を伏せる。

「誰でもいいじゃないですか」

電源ボタンを押して一旦画面を切る。
真っ暗になったのもつかの間──着信音と共にポップアップが現れてしまう。


『じゃぁ明日の13時に予約しました!楽しみして……』

「何?石見?」
伸びてくる手を振り払い、携帯をかばんの中に突っ込むと腕でかばんの口を押さえる。

「何ですか?」

「明日何?石見と出掛ける?」

「か、関係ないじゃないですか…」

「否定しない?じゃぁ認めるんだ」

ぐいぐいと迫ってくる顔。
直視できずに思わず顔を背けてしまう。

「……黙ってそっぽ向くのはやめろ」
はぁっとため息をつくと、椅子に腰掛けた。
やばい、威圧感がすごい。
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