恋人未満のこじらせ愛
やっぱり予想通り、机に置かれた智也さんの携帯だ。
着信画面が『江浪 範正』つまり江浪さんになっている。


一瞬チラッと見たかと思えば無視しようとしたので「早く出てください」と促す。
嫌そうな顔で携帯を手にとると、店の外に出ていった。


一人になって、ようやく尋問から解放されてホッとする……が、また責められるのかと思うと気分がげんなりとする。

帰ってしまおうかと考えたが、さすがに荷物を置いたまま帰るのは卑怯だろう。


どうやってこの人から逃げよう。
どうやって言い逃れようか……てかそもそも何でここまで尋問されなきゃいけないんだ。
そもそも智也さんにとって私は何なんだ?
ただの暇潰しのオモチャ?愛玩…にもなってないが人形?支配下に置いて優越感に浸れる存在?

……だめだ、考えれば考えるほど胸がギリギリと痛む。

正直、良心を捨ててさっさと置いて帰れば良かったと後悔の嵐だ。
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