三途の川のお茶屋さん
三途の川に戻る道すがら、俺は視線を感じていた。
「用があるなら出てこい」
虚無の空間から現れたのは見知った二人だった。
「なんだ十夜、随分と威勢がいいな」
「上からの覚えがちょっと目出度いからって調子に乗るんじゃねえぞ」
どちらも同期にあたるが、我ら神に横の繋がりというものは無いに等しい。
「それで? 俺になんの用だ?」
二人は顔を見合わせると、ニヤニヤと厭らしい笑みを乗せ、気安い様子で俺の肩に腕を回してくる。
「……気安く触るな」
気色悪い二本の腕を、乱暴に払いのける。
「なんだよ、一番の出世頭は随分とツレねぇな」
役職を得られずいまだ中央で燻る同期は、早々に三途の川の管理者の役目を賜った俺を目の敵にしている。