三途の川のお茶屋さん
三途の川の管理者は、神々全体で見ても上級の管理職だ。若輩の身にあっては異例の出世と言える。そして同期で役職を持つのは、いまだ俺一人だけだった。
「三途の川に使徒はいねぇし、魂だって三途の川に着いた時点じゃ、現世での没年齢を映してジジババばっかだからな。お前は外れクジで女日照りかと思ったんだがなぁ」
「婆連中の中から若い女見繕って、しっぽり懇ろにしてるなんてぇのは、想定外だよなぁ」
神という存在が皆、禁欲的な暮らしをしている訳ではない。
むしろ寿命や年齢に縛られない我々は、性には奔放といえる。情事の相手はもっぱら、補佐役の使徒だ。使徒はその名の通り、神がある場所に、補佐として存在する。
そうして死した魂も稀にその対象となるが、死した魂は三途の川を渡ればじきに魂の浄化が始まる。だから死した魂が相手という場合は、船の着岸直後にかどわかし、一時の情を分け合うという褒められたものではない行為だ。