三途の川のお茶屋さん
タツ江婆は何故、そんなつまらぬ物を盗み続けた……?
「! まさか、罪を受ける事こそが、望み!?」
あり得ない、けれどそうとしか考えられなかった。
神威様は鷹揚に頷いた。
「神の身を落とされたら、どうなる?」
「神性を奪われます。二度と神には戻れませんので、人として人界に下る事になります」
太一様が、まさにこれに相当する。
「では、人界に下る事を拒んだらどうなる?」
「天界の中央には残れませんが、……けれど例えば、三途の川のような現世との境界の地に暮らす事は可能です。まさに、タツ江婆がそれです」
ここでふと、思い至った。
「まさか、懸人も!? あれも、かつて神だったのですか?」
神威様は静かに俺を見つめていた。それこそが答えに他ならない。