三途の川のお茶屋さん


「古の時代はまだ、女神の出生はそう珍しい事ではなかった。それでも始祖の血筋に女神が誕生した事は慶事だった。天界中が湧き、誰もが女神の誕生を誉めそやし、将来の明るい展望を語り明かした。けれど妹神の誕生により、懸人は家督の継承がなくなってしまった」

なるほど、天界きっての名家に稀有な女神が誕生したとなれば、家督は女神に婿を取って継がせる事になるだろう。

「だが、懸人にとって絶望はこれだけではなかった。懸人と共に将来を有望視され、期待を二分していた男神が、妹神の婿に選ばれてしまった。この婚約により事実上、天界の長の座は妹婿が最有力に躍り出る事になった」

「懸人は、妹神を殺めたのですね?」



< 278 / 329 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop