三途の川のお茶屋さん
思い悩み、葛藤に苦しんだ二十年。
けれど二十年の時が、私と十夜の縁となって実を結んだ。
二十年という年月がキラキラと眩い記憶となって、悟志さんの優しい記憶の隣に、スッと居場所を作った。
「はい、十夜。私も十夜に一生涯をかけて、愛を伝えます」
「幸子!!」
十夜は躊躇わず、再び私を腕に抱き上げた。
神威様はそんな私達を、目を細めて見つめていた。
神威様と別れたあと、私と十夜は三途の川の自宅に戻った。
既に二十年、十夜と共に暮らし、慣れ親しんだ我が家。
けれど今、改めて我が家を目にすれば、熱い物が頬を伝った。
「幸子」
「すみません、なんだか安心して……」
玄関を潜ると、十夜は私をそっと、そおっと胸に抱き締めた。
そうして溢れる涙を、唇と舌先で掬い取る。そのまま幾度となく、顔中にキスの嵐が降り注ぐ。