三途の川のお茶屋さん
「いいや、タツ江。皮一枚の美醜じゃないんだ」
!!
解こうとした手は、懸人によって一層きつく握られた。
「今更と罵ってくれていい。けれど今、私は記憶の母よりも誰よりも、タツ江を美しいと思う」
「! ……懸人」
あたしも懸人の手を握り返した。
長く暗い阿修羅の道も、いつかは明ける。
「……タツ江、私はここを出たら行きたいところがあるんだ」
「そうかい。奇遇だね、あたしもきっと懸人と同じところに行きたいと思っているよ」
陽光を受けて、曼珠沙華と曼荼羅華が咲き誇る花畑に、懸人と幸子さんが並んで立つ。