キスすらできない。


一体一人で何をしているのか。

照れてハイになって悶えて泣いてまた照れて…。

独り芝居もいいとこだ。

それにしても……寝てる人の人肌って眠気を誘うな。

引っ付いてドキドキも確かにしていた癖に、安心感ある温もりや感触には見事自分の睡魔が舞い戻ったらしい。

欠伸を零してしまえばいよいよ目も微睡んで、ハイであった意識もズルリズルリと深いところに引きこまれていったのだ。

その後は……夢も見ない程の熟睡。





こんな満たされた心地の良い眠りはいつぶりだろう?





目が覚めたら……先生が隣にいるなんてもっと最高じゃないか。

意識があればそんな事を思っていたであろう眠りの終幕は…。





「…………夢オチ?」

目覚め一発。

頭もあまり覚醒していない状態の間抜けな第一声といえるのか。

いや、でも言ってしまうのも仕方がない。

起きたら確かに一緒に寝ていたと思ってた存在が不在であったのだから。

もっと言えばだ、寝る前の記憶と今が一致しない!

私は確かに自分のあの狭いベッドで先生と眠ったはずだったのに。

……何で今ここに居る私は先生の部屋の広々としたクイーンサイズのベッドの真ん中で目覚めているのだろうか?

えっ?

何?

待って?

もしかして自分の部屋で先生と眠ったってのがそもそも夢で、もしかして寂しさ募って先生の部屋で勝手に寝ちゃったってのがリアルですか?

それであんな都合の良い夢を?

だとしたら……私大丈夫か?

末期も末期。

ってか、もう墓に片足突っ込んでるくらいに残念な奴じゃないか?
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