キスすらできない。
うーわぁぁぁ。なんて、自分自身にガッカリしながら頭を抱えたタイミングだ。
不意に耳に響いたのはガチャリと扉が開く音で、引かれるように視線を動かせば、
「っ!!!!」
「……あ、……起きたのか」
「っ……ぁ……おは、おはようございます」
「うん、おはよう」
「おはようございます」
「……二回目だけど、おはよう?」
「は、はい……」
いやね、馬鹿なの?って思わないで。
寧ろ褒めてほしい!!
よく叫ばなかったと。
スウェットに半裸という状態で登場した先生に対して。
どうやら、シャワーでも浴びてきたのか、素肌の肩にはタオルがかかって髪は湿り気を帯びている。
時折髪から滴る水滴が肌を伝う事の艶めかしさといったら。
と、いうか……。
先生の裸とかほぼ初見。
下は穿いてるけど上だけで充分に艶めかしい。
うわぁぁぁぁ、直視できない!!
でも、ちょっと見たい!!
と、お祭り騒ぎな感情はがっつり目に現れていたらしく。
「……ピヨちゃん、目が忙しそう」
「っ…あっ…ひっ…」
「こんなおっさんの裸にどぎまぎしてくれるのはありがたいねえ」
「そっ…違っ…裸にどぎまぎなんてしてませんっ!!こんないい歳して男の半裸くらいでどきまぎなんてっ」
「………」
「っ!!ちょっ…なんで無言で距離詰めて…」
「いや、どぎまぎしてないならこのままいつもみたいに抱きしめて愛でようかなって」
「ひっ…ど、どぎまぎしてますっ!もう、いい歳して恥ずかしいくらいに上半身半裸に動揺してますっ!!」
「それは……追い詰めがいがあるな」
「っ___!!!」
ああ……追い詰められた。