社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「教えてませんよ。
それがどうしたんですか?」

「真下は、ランチに行ければラッキー。
行けなくても、断りの電話があれば連絡先
ゲットでラッキー。って思ってるぞ。」

のどか、隙ありすぎだろ?

「は?
社長、なんで同じ社内の人に連絡先を
隠さなきゃいけないんですか?
仕事上、連絡が必要な時もあるでしょう?」

のどかのそういうところが、セクハラ親父に付け込まれるんだって。

俺は、のどかに仕事用のスマホを持たせる事にして、今日は、会社の電話を使わせた。


のどかとの電話の中で、真下はどこに食べに行きたいか聞いてきた。

俺は意地悪のつもりで、社食と答えた。

ナンパ目的の真下と小洒落た店なんかに行かせてやらない。

社食前で真下と合流した俺は、

「せっかくデートに割り込んで申し訳ない。」

と言ってやった。

まずは、のどかにただの親切ではなく、ナンパなんだという事を認識させなくてはいけない。

「いえ、そういうのではないので、気になさらないでください。」

真下は、顔を引きつらせて答えた。
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