社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
私は、修ちゃんの膝に座らされて抱きしめられる。

「修ちゃん? どうしたの?」

「のどか、ごめん。
勝手に婚約者みたいなふりをさせて。
嫌だったか?」

修ちゃんが苦しそうだったから、私は言いたかった事を全部飲み込んで、

「気にしなくて大丈夫だよ。
それより、修ちゃん、今日はお風呂は無理
でしょ?
このまま、着替えて寝よ?」

そう言うと、修ちゃんは握っていた手を離して、今度は両手で私を抱きしめた。

「夜中に吐くかも。
のどか、一緒に寝て?」

ええ!? 一緒にって、一緒に!?

どうしよう?

修ちゃんは、放っておけないし、でも、恋人でもない人と一緒に寝るなんて…

仕方ない。
とりあえず、ベッド傍で側についててあげよう。

「修ちゃん?
じゃあ、シャワー浴びて着替えてくるから、
修ちゃんも着替えておくんだよ?」

そう言うと、修ちゃんは抱きしめてした腕を緩めてくれたので、私は一旦、部屋に戻った。
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