社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「ふふっ
社長、お願いを聞いてくださって、ありがとう
ございます。」

私は、まずにっこりとお礼を言う。

「私はラザニアを食べたいですが、社長は
いかがなさいますか?」

修ちゃんは、いつもの優しい笑顔で、

「じゃあ、俺は、アラビアータと
マルゲリータ。」

と言った。

「かしこまりました。」

と私がオーダーしようとすると、修ちゃんは、

「昼休みは、秘書の佐倉さんじゃなくて、俺の
大切なのどかだから、そういう事しなくて
いいよ。」

と言って、2人分のオーダーをしてしまった。

『俺の大切なのどか』って…

どうしよう。顔が火照る。

勝手ににやけてしまう。

私は、修ちゃんの事、何とも思ってなかったはずなのに。

こんな甘いセリフ言われた事ないから…かな?
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