決して結ばれることのない、赤い糸
…なんでわたし、こんなところに?


今気づいたけど、体の節々も痛い。


すると、パーテーションの向こう側から女の人が顔を出した。


「気がつかれたんですね…!」


紺色の制服姿の女の人がわたしに歩み寄ってくる。


「しばらくしても目を覚まさなかったら、救急車を呼ぼうと思っていたんです」


この制服は、学校の最寄り駅の鉄道会社の制服だ。

つまり、この女の人は駅員さん。


「ここは、駅の医務室です。すぐ近くの歩道橋付近で倒れられているとご報告があったので、一時的にこちらにお連れしました」

「…そうだったんですか」

「目立ったケガは見当たりませんが、もしご心配でしたら病院を受診されてくださいね」

「は…はい。ありがとうございます」


歩道橋の階段で足を滑らせたわたしは、階段下で倒れていたんだそう。
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