決して結ばれることのない、赤い糸
そして、駅の医務室へと運ばれた。


でも、…この状況。

『あのとき』と同じだっ……。


「…あ、あの!わたしといっしょに…男の子もいませんでしたか!?」


もういやだ…。

わたしだけこうして助かって、隼人だけ犠牲になるのは。


だけど、わたしは隼人の手を振り払った。

だから、隼人は巻き添えにはなっていないはず。


そうとは思っていても、嫌な予感しかしない。

駅員さんの次の言葉までのほんのわずかな時間が、とてつもなく長く感じた。


ごくりとつばを呑むわたしに、駅員さんは――。


「安心してください、大丈夫ですよ。あなたを庇っていっしょに階段から落ちたようですが、幸いかすり傷のみで、先程処置が終わったところです」


そう言って、背中を擦ってくれた。


「彼をここに呼んできますね」
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