決して結ばれることのない、赤い糸
駅員さんがパーテーションの向こう側へ姿を消すと、ほっとしたわたしの目から涙があふれた。


よかった…。

またわたしのせいで、大怪我をしてしまったらと思ったから……。


少しすると、駅員さんに連れられて隼人がやってきた。


元気そうな隼人の姿を自分の目で確かめることができ、ようやく安心することができた。


「…瀧くん、ごめんなさい。わたしのせいで巻き込んでしまって…」

「謝らないで。お互い無事だったんだから」

「でもっ……」


下手したら、あの日と同じことになっていたかもしれないのに。


「隣で階段を踏み外したコがいれば、自然と体が動くよ。それなのに、俺の手…振り払ったでしょ?…どうして?」

「それは…」


言葉に詰まる。


『前と、同じ結末になるのがこわかった』


…なんて、そんなこと言えるわけがなかった。
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