決して結ばれることのない、赤い糸
「…ごめんなさい」


だからわたしは、謝ることしかできなかった。


「でも…、どうしてわたしなんかを庇ったの?もしかしたら、瀧くんが大怪我をしたかもしれないのにっ…」

「俺のことなんてどうでもいいよ。それよりも、ただ必死で守りたかった。それは、“あのとき”だって同じだよ」


――えっ…?


わたしは一瞬、キョトンとした。


今…、『あのとき』って…言った?


そう思いたかったけど――。


…そんなはずないよね。

おそらく、わたしの聞き間違いだ。


「でもよかった。かりんの目が覚めて」


わたしの頭を隼人がなでる。


あれ…?

わたしまだ…、夢を見ているのかな。


「おはよう、かりん」


だって、隼人がわたしのことを『かりん』と呼んでいる。

さっき見た夢と同じだ。
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