決して結ばれることのない、赤い糸
優奈は、家族でハワイ旅行。


ということで、2人ともと予定が合わなかったのだ。


それならやめようかという話にもなったけど、せっかく鷹さんが楽しみにしてくれているということで、隼人と2人で出かけることにした。


前のときと同じ色の電車に乗り、あの海を目指す。


この2年、海にはきていなかった。

もともと毎年きていたわけではなかったけど、隼人がいなくなってからは、海を見ると隼人を思い出してしまうから。


だから、電車を降りて潮の匂いを嗅いだとき、ふと懐かしさを覚えたのだった。



「もしかして、かりんちゃん…!?」


久々に会う鷹さんは、前と少しも変わっていなかった。


「鷹さん、お久しぶりです」

「見ないうちに、髪も伸びて美人さんになったね〜!ほんと、隼人にはもったいないよ!」
< 223 / 320 >

この作品をシェア

pagetop