決して結ばれることのない、赤い糸
「い…いえ、そんな…!」

「今日は、楽しんでいってね」

「はい!ありがとうございます」


わたしと隼人は、鷹さんの海の家の更衣室を借りて水着に着替えると、久々の海で思いきり遊んだ。

日焼けするのも忘れるくらい、海水浴を漫喫した。



その夜。

鷹さんが特別に貸し切りにしてくれた、『Falcon』へと向かう。


「それじゃあ…。『隼人、記憶が戻ってよかったなー!でも、思い出すのが遅ぇよバカ!でもでも、かりんちゃんとまた付き合えてほんとによかった!』…を祝して、カンパ〜イ!」

「「カ…カンパイ」」


鷹さんの長い乾杯のあいさつに苦笑しながら、わたしと隼人はジュースの入ったグラスをカチンと合わせた。


手作り料理は前回と同じ、アクアパッツァ、アサリのペペロンチーノ、カルパッチョをリクエストした。
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