決して結ばれることのない、赤い糸
「でも、ほんとによかった。隼人の両親から、かりんちゃんや友達に関することは隼人には言わないようにって言われてたから、この2年…オレも心苦しかったんだよ」


どうやら隼人は、毎年鷹さんのところへ遊びには行っていたらしいけど、鷹さんは隼人の両親から口止めされていたのだそう。


「かりんちゃんには酷な話だったけど、隼人のことを守るためでもあったから、隼人の両親のこと…許してやってね」

「…はい、大丈夫です。もしわたしが隼人のお母さんだったとしても、同じことをしていたと思いますから」


会わないようにと言われてつらかったけど、隼人のことを想う気持ちは同じだから。


鷹さんは、わたしと隼人の再会をとても喜んでくれていて、わたしたちの話を(さかな)に、快調にお酒を飲んでいた。


次々と空いていく、鷹さんのグラス。
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