決して結ばれることのない、赤い糸
やっぱり鷹さんは酔っている。

隼人の頭をわしゃわしゃとなで回す姿は、もはや酔っ払いだ。


「でも、なんで俺が…その鷹さんのお兄さんに似てるんだろうな?遠い親戚なのに」


水を飲みに行った鷹さんの後ろ姿を見ながら、隼人がわたしに小声で話しかける。


「ん〜…。よくわからないけど、…隔世遺伝とか?それに鷹さん酔ってるから、今はそんなふうにも見えるんじゃないかな?」

「かもしれないな。あんな酔っ払ってる鷹さん見たの、初めてかもしれない」


鷹さんを少し心配そうな目で見つめる隼人。


でもやはり鷹さんはお酒に強い人のようで、水を飲んで帰ってきたら、雰囲気が戻っていた。


「なんか、うざい絡みしてごめん…!オレ、変なことでも言ってた?」

「い…いえ!そんなことなかったですよ!」

「そうそう!」
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