決して結ばれることのない、赤い糸

お母さんの車だ。


あいさつをしたいと、わたしのあとに隼人と鷹さんも続いて出てきた。


「お母さん、ごめんね…！」

「謝ることじゃないからっ。台風のせいで予定がくるって残念ね」


お母さんは、わたしの荷物を車へ乗せる。


「かりんお母さん、お久しぶりです」

「…隼人くん!?かりんから話は聞いていたけど、こんなに身長が伸びちゃって…！それに、記憶が戻ったみたいで…本当によかった」


お母さんは柔らかい表情で隼人を見つめた。

その隼人の後ろから、鷹さんが顔出す。


「はじめまして、隼人の親戚の者です！この度は、わざわざこんなところまで車できていただいて…」

「…そんな！台風なんですから仕方ないですよ。私のほうこそご挨拶が遅れましたが、今回も中学のときも、かりんが大変お世話になりました」