決して結ばれることのない、赤い糸
「じゃあね」
そうして、カズに背中を向けた――そのとき。
「…やっぱり、オレじゃダメなのか!?」
人気のない廊下に響く、カズの声。
わたしは、思わずピタリと足を止めた。
「え…?」
振り返ると、カズがまっすぐにわたしを見つめていた。
「かりんが隼人のことを忘れられないように、オレだってかりんのことを忘れられない。…そばで支えてやりたいって思ってる!」
…カズ、まだそんなことを思ってくれていたんだ。
「かりんの気持ちの整理がついてからでいいから。だから、オレもいるってことを忘れないでほしい」
「カズ…」
カズの真剣なまなざしが、わたしを捉えて離さない。
吸い込まれるように目が行く。
…すると、ふと目の端に人影が映った。
おもむろに、そちらに視線を移すと――。
そうして、カズに背中を向けた――そのとき。
「…やっぱり、オレじゃダメなのか!?」
人気のない廊下に響く、カズの声。
わたしは、思わずピタリと足を止めた。
「え…?」
振り返ると、カズがまっすぐにわたしを見つめていた。
「かりんが隼人のことを忘れられないように、オレだってかりんのことを忘れられない。…そばで支えてやりたいって思ってる!」
…カズ、まだそんなことを思ってくれていたんだ。
「かりんの気持ちの整理がついてからでいいから。だから、オレもいるってことを忘れないでほしい」
「カズ…」
カズの真剣なまなざしが、わたしを捉えて離さない。
吸い込まれるように目が行く。
…すると、ふと目の端に人影が映った。
おもむろに、そちらに視線を移すと――。