爽やかくんの為せるワザ




「……ぼ、僕もっ……」


「へ?」


「僕も……ずっと、成瀬さんは可愛いと思ってたし……すごく……魅力的だと思う……」




ぽつりぽつりと話し出す佐賀くん。

そして突然褒められて固まる私。



さ、佐賀くん?


めちゃくちゃ恥ずかしいんだけどっ。




「ミスターコンの時、成瀬さんに言われたことがすごく嬉しくて……忘れられないんだ」




気付くと、佐賀くんの白い頬は真っ赤になっていた。


な、なんだろう。

佐賀くん……突然どうしたんだろう。


真っ赤な佐賀くんを見てると、私も顔が熱くなってきた。


ていうかちょっと周りからの視線も集まってる気がする。




「成瀬さんに自信をつけてもらえたから、僕も成瀬さんの為に何かしたい……って思ってて……」


「そ、そんなそんなっ」


「もし……困ったことがあったらなんでも言って……?僕で良ければ相談に乗るし、力になるからっ……」




ぐっと拳を握って真っ直ぐ私を見つめる佐賀くん。



佐賀くん……そんな風に考えてくれてたんだ。


そっか。

私の為に……こんなに頑張って言ってくれて……。




「ありがとう佐賀くん。ぜひ、頼らせてもらいます!」


「う、うん……」




ほっと安心したように表情を緩ませた佐賀くん。


文化祭前と比べて、よく笑顔を見せてくれるようになった。

こんな風に頑張って言葉を掛けてくれたし。


良い意味で変わったなぁ、佐賀くん。


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